時事記録 就職活動のために

10/10/2006

取材源秘匿を認定 ? 最高裁判断

 報道をめぐり、NHK記者が取材源にかかわる証言を拒んだことの当否が争われた裁判の決定で、最高裁第三小法廷は「記者は原則として取材源に関する証言を拒絶することができる」という初の判断を示した。

 NHK、共同通信、読売新聞などのメディアは、米国食品会社の日本法人が巨額の所得を隠していた、などと報道した。 これに対し、食品会社は「米政府が日本の国税当局に提供した情報が報道機関に漏れた」として、米政府に対し損害賠償を求めて提訴。

日米の司法共助に基づき、記者らの嘱託証人尋問が求められ、記者らは取材源にかかわる証言を拒絶した。 拒絶の当否をめぐる一連の裁判では東京、新潟両地裁の決定が計三件、東京高裁の決定が二件出た。このうち読売新聞記者の証言拒絶をめぐる今年三月の東京地裁決定を除き、「取材源秘匿は正当」とされた。

決定は、取材源について「みだりに開示されると報道関係者との信頼関係が損なわれ、自由な取材活動が妨げられる」として、民事訴訟法が例外的に証言拒絶を認める「職業の秘密」に当たると判断した。 その上で「報道・取材の自由は十分尊重に値し、取材源の秘密は重要な社会的価値を持つ」として秘匿を認めた。   

読売新聞記者での東京地裁の決定。取材源が守秘義務のある国税庁職員の場合、取材源についての証言拒否を認めれば犯罪行為の隠ぺいに加担するに等しいとして、「取材への悪影響は法的保護に値せず、記者の証言拒否は理由がない」と断じた。

ただ、決定は取材源秘匿を認める場合の条件もつけた。公共の利益に関する報道である取材の手段や方法が刑罰法令に触れない民事訴訟が社会的に重大で、取材源の秘密の社会的価値を考慮してもなお証言が必要不可欠といった事情がない。  この条件は、よほどのことがない限りクリアできるはずだ。が、拡大解釈される余地がないわけではなく、わずかにあいまいさも残している。  

悪質な拡大解釈を許さないためにも、メディアの側は国民の要請と信頼に応えていく覚悟を再確認しておきたい。