時事記録 就職活動のために

10/28/2006

毎日社説:北海道日本ハム プロ野球も「地方の時代」に

 プロ野球日本シリーズは、札幌に本拠地を移して3年目の北海道日本ハムが4勝1敗で中日を降し、44年ぶり2度目の日本一に輝いた。

 1勝1敗で札幌ドームに舞台を移した第3戦以降、連日4万人を超える大観衆がスタンドを埋め、その9割方が日本ハムの熱烈なファンだった。満員のファンの後押しが日本ハム選手に力を与えたことだろう。

 かつてプロ野球の球団がなかった北海道は、圧倒的に巨人ファンが多い土地柄とされてきた。いまも巨人ファンは多いのだろうが、シーズン終盤から続く札幌ドームの満員のスタンドや、瞬間最高73・5%に達した優勝決定時のテレビ視聴率(札幌地区、ビデオリサーチ調べ)を見ると、わずか3年ですっかりファイターズカラーに塗り替わったという印象だ。

 プロ野球コミッショナー事務局は94年に国内14都市で電話アンケートを実施し「好きな球団」を尋ねた。日本ハムは、プロ球団の本拠地がある東京、大阪など5都市で0・9%、球団のない札幌など9都市では0・6%と、ロッテ、オリックスと並んで最低レベルだった。本拠地移転前の北海道での日本ハムの認知度はその程度と想像できる数字だ。

 日本ハムは04年から北海道に本拠地を移し、球団名に「北海道」をつけて地域に密着した球団作りに着手した。入場時間に応じた割引チケットの販売、選手たちの学校訪問や野球教室など、東京ではできなかったさまざまなアイデアを実行に移していった。地道なファンの掘り起こしは「新天地」だからこそできたことでもあったのだろう。

 人気者の新庄剛志選手の加入も北海道のファンを引き寄せる大きな力となったようだ。突然の引退表明を含め新庄選手の意表をつく数々のパフォーマンスは、これまで野球に見向きもしなかった層を球場に呼び込む効果があった。

 巨人戦のテレビ視聴率の低下は相変わらず歯止めがかからない。今年は9・6%(関東地区)と初めて平均視聴率が10%の大台を割った。西武の松坂大輔投手をはじめ日本の主力選手が相次いで大リーグを目指し、国内のプロ野球の空洞化が進む懸念もある。

 こうした逆風の下でも、工夫次第で新たなファンを球場に呼ぶことができることを昨年の千葉ロッテに続いて日本ハムも北海道の地で実証した。ロッテ・バレンタイン監督、日本ハム・ヒルマン監督と、いずれも外国人監督のもとで思い切った改革が行われたのは、果たして偶然なのだろうか。

 プロ野球はいま、巨人中心の「中央集権」から「地方の時代」に移りつつある。プロ野球だけではない。高校野球では駒大苫小牧が一昨年、昨年と全国制覇し、今年の都市対抗野球は秋田県にかほ市(TDK)が初優勝した。

 プロ野球の球団がオーナーの所有物だった時代はとっくに終わった。「ファンあってのプロ野球」に向け、12球団はさらなる改革を競い合ってもらいたいものだ。