時事記録 就職活動のために

10/11/2006

性同一性障害 「解雇は無効」福祉男性職員が提訴

体と心の性が一致しない性同一性障害(GID)を理由に解雇されたとして、社会福祉法人「大阪自彊(じきょう)館」(大阪市西成区)の契約職員だった男性(50)が11日、同法人に解雇無効の確認と慰謝料200万円などを求める訴訟を大阪地裁に起こした。代理人弁護士によると、GIDを巡り解雇無効を求める訴訟は全国的にもほとんど例がない。

 訴状などによると、男性は03年1月ごろから女性として生活。04年2月に医療機関でGIDと診断された。同年9月に同法人側の面接を受け、GIDであると明かしたうえで、野宿生活者巡回相談員として採用。

 しかし05年6月、上司が化粧と女子トイレの使用を禁止し、「野宿者からべっ視され、困る」と非難。同僚も「男か女かはっきりさせてほしい」「(野宿者との)面接の場を外してほしい」などと求めるようになった。そして今年3月、別の上司が理由も説明しないまま、半年ごとの契約を更新しないと通告した。

 法人側は、男性が加入した労働組合との団体交渉で「面接件数が少ないから」などと解雇理由を説明。男性側は「当初は明確な説明がなく、解雇理由はGIDしかなく違法だ」。

 記者会見した男性は「上司や同僚から同じ人間として扱ってもらえなかった。(少数者を)排除すべきでない職場で排除され、行き場のない怒りを感じる」。

 GIDを抱える人の解雇を巡っては、東京地裁が02年6月、女装での出勤を理由に出版社を懲戒解雇された男性の地位保全の仮処分申し立てを認め、解雇を無効とする決定。